バスケより一番に



「ありがとうございます」



ニッコリ笑う水沢先輩


「帰ろ、小柴君」


手を差し出す水沢先輩。




だけど俺はその手を自分の方に引き寄せ、抱き締めた。




「えっ…?」


慌てる水沢先輩。



「お願いします…少しだけ…」



するとさっきまで力が入っていた水沢先輩の体が落ち着き、優しく頭を撫でてくれた。



水沢先輩の甘い洗剤の匂いと、汗の匂いが俺を落ち着かせた。




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しばらく時間が経ち俺は顔を上げた。



すると水沢先輩と目が合い、優しく微笑んでくれた。



さっきからずっと立っててくれてたんだ…






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