バスケより一番に
――――ギュッ
「…霧…谷君…」
「水沢先輩…何で泣いてるんですか…」
「私ね…小柴君に振られたんだ…」
「えっ…」
「振り切りたいけど…けど…」
早く変わらなきゃいけないと思ってるのに…
「っ…小柴君が…忘れられないよぉ~」
今こうして泣いてても頭の中は小柴君でいっぱいだよ…
「……やっぱり俺じゃ無理だな…」
「グスッ…」
すると霧谷君は抱き締めたままこう言った。
「二人共誤解してますよ」
え…?
「それって…」
「今日春弥学校休んだんですよ」
「嘘…」
私全然知らなかった。
「明日は学校休みだし春弥の所行ってあげて下さい」
「でも…」
「そう簡単に諦めないで下さい。
それじゃあ水沢先輩らしくないですよ」
顔は見えないけど声が震えてるのが分かる。
「霧谷君…」