バスケより一番に



私は泣き止み、小柴君が部屋まで連れてってくれた。



「もう大丈夫ですか?」


私は小さく頷いた。


「わざわざ見送りに来ないで部屋で大人しく寝てて下さいよ」


「ごめんなさい…」


「分かればいいんですよ」


そう言って頭を優しく撫でてくれた。



「じゃあ、俺帰りますね」


「えっ…」


小柴君が立ち上がろうとした瞬間









―――――キュッ…


私は小柴君の服を掴んだ





「あの…」


「……行かないで…」


「え…?」


「帰らないで。
一緒居てほしい…」


「水沢先輩…」



―――――ピカッ!!


「イヤ!!」

私はとっさに小柴君に抱き着いた。


また体が震えだす。

「…」


帰ったらヤダよ…


お願い…






―――――ポンポン


「大丈夫、大丈夫
俺が居ますから」



< 146 / 224 >

この作品をシェア

pagetop