バスケより一番に
私は泣き止み、小柴君が部屋まで連れてってくれた。
「もう大丈夫ですか?」
私は小さく頷いた。
「わざわざ見送りに来ないで部屋で大人しく寝てて下さいよ」
「ごめんなさい…」
「分かればいいんですよ」
そう言って頭を優しく撫でてくれた。
「じゃあ、俺帰りますね」
「えっ…」
小柴君が立ち上がろうとした瞬間
―――――キュッ…
私は小柴君の服を掴んだ
。
「あの…」
「……行かないで…」
「え…?」
「帰らないで。
一緒居てほしい…」
「水沢先輩…」
―――――ピカッ!!
「イヤ!!」
私はとっさに小柴君に抱き着いた。
また体が震えだす。
「…」
帰ったらヤダよ…
お願い…
―――――ポンポン
「大丈夫、大丈夫
俺が居ますから」