バスケより一番に
「もうそろそろ出来上がるので大丈夫ですよ」
俺は部屋に戻るかと思ったが
「じゃあ出来るまでここで待ってる」
そう言ってソファーに座ってテレビを見始めた。
いつもは先輩って感じだけど今日は何か、同い年、イヤ、年下に見える。
「波奈……」
テレビを見る水沢先輩の姿はとても小さく見える。
「水沢先輩、出来ましたよ」
俺が呼ぶとちょこちょこと歩いて来てまた制服を掴んだ。
その行動にまた胸がヤバくなる。
俺今日大丈夫かな…
部屋へ戻って俺は水沢先輩の前にお粥と温かいスープを出した。
「わぁー、美味しそう
あれ、スプーンは?」
「俺が食べさせますよ」
すると一気に顔が熱くなった水沢先輩。
「いっ、いいよ。
そこまでしなくて」
全力で否定する水沢先輩を無視してお粥を口元へ持っていく。
少しためらっていたが観念したのかお粥を食べた。