バスケより一番に





そこには辛そうな顔をした春弥が居た。





点数は6点差。


よかった、そこまで離れてなくて…





だけど…


やっぱり春弥の様子がおかしい。








あぁ、来たのはいいけど何て言えばいいのか…






しばらく見つめていると





春弥と目が合った。









ーーーーードキッ



思わず息を飲んだ。



私に気付いたのか急いでこちらに向かって走ってくる。







そして




「波奈…だよね?」




「…うん」



そして私は春弥に外へと連れられた。





「来てくれたんだ」



「だって、大事な後輩の引退試合だもん。
当たり前じゃん!」




「ははっ、そっか」





笑った顔見たのなんかいつ振りだろ…



「本当に久しぶりだね」



「あぁ」




もうすぐ試合が始まっちゃう…




だからその前に…



「あれ、これって…」




「波奈がクリスマスにくれたやつ。
一応貰ったからさ」



そう言って大事そうにリストバンドを見つめる。





「ねぇ、どこか怪我してるでしょ?」




「ちょっと手首をね。
でもこんぐらい平気、平気」


だけどその部分は真っ赤に腫れていた。



無理に強がって…





バシッ!




「いって!!
何怪我してる所に」




「馬鹿っ!



頑張ってよね」




春弥は自信を持って



「おう!」


って言った。



そして春弥が戻ろうとした時に




「あのさ!」







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