バスケより一番に






「汗くさくてごめんね…」








ちゅっ……




「……別れてもずっと好きだったよ」




呆然とする春弥。

そんな春弥の背中を私は押した。




「ほら、行かないと」





「あっ、え

試合絶対勝つから見てろよ!」





それに私は大きく頷いた。



さっきよりも軽やかな走りをした春弥を見てホッとした。




いつのまにか大きくなった背中




また私の頭一つ分高くなった身長




より男らしくなった低い声





その全てがこの時愛おしいと感じた。







だから最後までその姿を見とどけようと決めた。











ピーーー







「行かなきゃ…」





最後のピリオドが始まった。









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