バスケより一番に
波奈の声だった。
上に居たのにいつの間にか下に降りてきていた。
「何ぼーっと突っ立ってんの!
早くいつもの春弥らしいプレーをしてよ!!」
目がさめる
「春弥は皆を引っ張って行くチームのキャプテンなんだから。
あと三点差なんてどーって事ないでしょ?
最後はキャプテンがかっこよく決めないと!」
俺は貰ったリストバンドを見つめ気合いを入れ直した。
何かさっきより体が軽くなったし、手首もいたくなくなった気がした。
残り一分
ボールはこっちだった。
「はい!」
さっき俺がスリーを落としたため運良くディフェンスが誰もついていなかった。
あの時を思い出して…
残り二秒
シュートを打った。