バスケより一番に
試合が終わり、小柴君がこちらに気付いた。
「おっ、来るぞ~。
波奈頑張れよ」
そう言って留里は先に帰ってしまった。
「あ、ちょっ…」
そして、こちらに向かって歩いて来る小柴君。
急に胸が熱くなった。
……ドキ…ドキ…
だがそれもほんのわずかだけ。
だって、小柴君は女子に囲まれて動けない状態になってしまったから。
「あの、名前なんて言うんですか?」
「さっきの試合、メッチャかっこ良かったです!!」
「何中ですか?」
「あっ、汗垂れてますよ。」
そして一人の女子が自分のタオルで小柴君の汗を拭いた。