バスケより一番に
体育館に入る直前にいきなり霧谷君が止まった。
「あれ、入らないの?」
すると霧谷君は一瞬驚いたがその顔は直ぐに意地悪な顔へと変わった。
「いいんですね、このまま入って」
ん…?
そう言えばさっきから手が誰かに…………
「…って、キャーッ!!」
私はとっさに霧谷君から離れた。
今頃気付いた自分に恥ずかしくなってしまった。
「まぁ、俺はあのままでも良かったんですけど」
「私はよくないの!!」
すると霧谷君が誰かに気が付いた。
「おっ、春弥」
―――――ギクッ!!
何でよりによってこんなタイミングに…