Foolish boyfriend~5年前の約束~
一見、ただの中学生のように見えたけど、よく見ると違う。3、4人が、1人の男の子を囲んで立っているのだ。
「いじめってやつかな?」
ヘラヘラしたまま、そう言う達哉。最初から分かってたくせに、止める気配はない。
それどころか、楽しそうに見ているのだ。考えらんない。
「分かってんならとめなよ。あの子可哀想じゃん」
「俺がとめんの?」
不思議そうな顔であたしを見る。まるで、何故とめるのか分からない、とでも言うかのように。
「…達哉が止めないならあたしが止めるからいいよ。先帰ってて」
イラッとした。
天然なんだか、ただのバカなんだか、よく分かんないけど、たまに人とはズレたことを言う。
少し先にある、公園の中にいた中学生に近付いていく。最近の中学生は、生意気なやつが多いからなー…
「おい、そこの中学生」
声をかければ、そこにいた中学生全員が一斉にあたしを見た。
「何してんの?」
明らかに、遊んでいるとは言えないような状況。真ん中にいる男の子は、頬に傷があった。
「遊んでるだけでーす。お姉さん誰ですか?こいつの知り合い?」
ニヤニヤしながらあたしを見る中学生は、完全にあたしのことをなめてる。
「いや、知らないけど。寄ってたかっていじめなんて、カッコ悪いよー。それ、小学生まででしょ。」