Foolish boyfriend~5年前の約束~
「あぁ、バイト先がさ、明るい髪色禁止だったから染め直した」
「へぇー、そっか。似合ってるよ」
「おう、サンキュー。つーか、久しぶりだな」
ニーッと笑う達哉。
久しぶりに見たその表情が愛おしすぎて、ギューッと抱きついた。
この暑い時期に抱きつくなんて、変なやつらだって思われるだろう。ジロジロ見られてるけど、そんなの気にしない。
「うおっ!」
達哉はそんな変な声出してたけど、しっかり受け止めてくれた。
「久しぶり!」
そう言うと達哉もギュッと抱きしめてくれる。
「すっげぇ会いたかった」
「あたしも、会いたかった」
「何ヶ月ぶりだっけ?」
「8ヵ月ぶりだよ。元気にしてたん?」
あたしの家はここから近いから、歩いていくことにした。
「まぁ、元気って言えば元気だったけど、学校は楽しくなかった。舞子いなかったし」
「毎日電話してたじゃん」
もう見慣れてしまった道を歩いていく。出来れば、高校の友達には会いたくないんだけど。
夏休みだし、あたしの家は学校からも、杏の家からも中村の家からも、近いところにある。
たまたま会ってしまう可能性が、ないわけではない。
「電話だけじゃ物足りねぇ。やっぱり会わねぇと、満足しないし」
「まぁ、あたしも会えないのはすーっごく辛かったからね」