Foolish boyfriend~5年前の約束~

「あぁ、バイト先がさ、明るい髪色禁止だったから染め直した」


「へぇー、そっか。似合ってるよ」


「おう、サンキュー。つーか、久しぶりだな」


ニーッと笑う達哉。

久しぶりに見たその表情が愛おしすぎて、ギューッと抱きついた。


この暑い時期に抱きつくなんて、変なやつらだって思われるだろう。ジロジロ見られてるけど、そんなの気にしない。


「うおっ!」


達哉はそんな変な声出してたけど、しっかり受け止めてくれた。


「久しぶり!」

そう言うと達哉もギュッと抱きしめてくれる。


「すっげぇ会いたかった」


「あたしも、会いたかった」


「何ヶ月ぶりだっけ?」


「8ヵ月ぶりだよ。元気にしてたん?」


あたしの家はここから近いから、歩いていくことにした。


「まぁ、元気って言えば元気だったけど、学校は楽しくなかった。舞子いなかったし」


「毎日電話してたじゃん」


もう見慣れてしまった道を歩いていく。出来れば、高校の友達には会いたくないんだけど。


夏休みだし、あたしの家は学校からも、杏の家からも中村の家からも、近いところにある。

たまたま会ってしまう可能性が、ないわけではない。


「電話だけじゃ物足りねぇ。やっぱり会わねぇと、満足しないし」


「まぁ、あたしも会えないのはすーっごく辛かったからね」
< 108 / 128 >

この作品をシェア

pagetop