Foolish boyfriend~5年前の約束~
他にやることないのかよ。部活とか…中学生なんだからすることはいくらでもあるでしょ。
「僕ら別に苛めてませんけどー。な、俺ら遊んでただけだよなー?」
中心にいたナヨナヨしたやつの肩に手を置き、そう言ったジャイアンみたいなやつ。
え、絶対嘘だよね。
「嘘だってバレバレだからね。」
ナヨナヨしたやつの手を掴み、公園から出ようと試みたところ、無理だった。
ジャイアンに手を掴まれたのだ。力強いよ、最近の中学生は。手首が痛い。
「何だよあんた、調子に乗ってんじゃねぇぞ。」
凄い目つきで睨まれる。怖いし、痛いし。助けに来なきゃ良かったよ。
…………最悪。
「おい、触んな」
ジャイアンの力がグッと強まったとき、聞き慣れた低い声と共に、あたしの腕をつかむ感覚。
「聞こえねぇか、触んなっつってんだけど」
達哉だ。
喧嘩をするときの、鋭い目つきと低い声。中学生相手に本気になってもらったら困る。
だんだん、ジャイアンの力が弱まってきた。多分、達哉にビビってるんだろう。
パッと離された手首を見てみると、少しだけ赤くなっていた。達哉にバレたら、きっと中学生が危ない。
「…その子虐めるの、やめなよ。…達哉、帰ろ」