Foolish boyfriend~5年前の約束~
中学頃友達は普通にいたみたいだけど、同じ高校に進学したのは向井くんだけ。そもそも、達哉の中学からあの高校に進学した人なんて、両手で数えられるくらいしかいないし。
「そっか…」
あたしが杏や中村と遊んでるときも、達哉はバイトを頑張ってたんだ。
やっぱり、あたしもバイトしたいな…
「まぁ、やっぱ来てよかったわ」
「え?」
達哉が楽しいのなら、もう何でもいいけど。
「中村も笹原も面白いし」
「そっかそっか。よかった」
打ち上げられる花火を見ながら、達哉の手をギューッと握った。
達哉も握り返してくれる。
隣では中村と杏がうるさいけど、久しぶりのデートができてること自体が嬉しかった。
向こうにいるときは、毎日一緒に帰ってたし、デートも頻繁にしてた。
達哉が遠くにいる状況に段々慣れてきていたけど、やっぱり近くにいた方がいい。
「また、会いに来るよ」
「うん…」
電話だけじゃ
メールだけじゃ
全然足りない。
このまま、ここに住めばいいのに。
「お互い、頑張ろうな」
なんだか達哉じゃないみたいで、ビックリした。
「うん」
あたしも、頑張ろう。