Foolish boyfriend~5年前の約束~
メール
達哉が帰って、1週間が経った。
「はぁー…」
「ため息なんかついたらあかん!」
さっきからあたしがため息をついてしまうせいで、中村の部屋の中がどんよりした空気になってきた。
杏は相変わらず中村の課題を写してる。
それを眺めるあたしと、ベッドで雑誌を読んでいる中村。
「だってー…」
達哉と夏祭りに行った日から1週間。
何だか達哉の様子がおかしい。
「達哉、昨日も一昨日も電話してこなかったんだよ?いくら忙しくても毎日欠かさずにしてきてたのに」
バイトが忙しいのは分かってる。
でも、あれだけ毎日電話してきてた達哉が、急にしなくなるなんてこと、あるの?
浮気は絶対にない。
それだけは確実なんだけど。
「伊藤にも色々あるんやって。気にすんな」
「…そうだよね…」
男の中村に言われると、何故か説得力がある。
「ちゅーか、それが当たり前なんちゃうん?毎日電話せなあかん理由なんかないやろ?」
そりゃあ、理由はないけど。
あたしからしてみれば、近くにいるときは毎日一緒にいるのが当たり前だったし、離れてからも、電話とメールは欠かさなかった。
それに慣れちゃってるから、不安なんだもん。