Foolish boyfriend~5年前の約束~

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「えっ、帰った?」


放課後、いつもは迎えに来る達哉が迎えに来なかったから、達哉のクラスまで行ってみた。


「いつ!? いつ帰ったの!?」


サボることはあっても、早退なんて滅多にしない達哉が、いない。嫌な予感。


「あぁ、たしか6限目が始まる前だったよ。何も言わずに荷物持って出て行っちゃったから。」

そう教えてくれた女の子に礼を言って、向井君のクラスまで走った。



「む、向井君!」

向井君のクラスを覗き込みながら叫ぶと、窓際にいた黒髪の、背の高い男の人が振り返った。


「おー、広田。何だよ慌てて、何かあったか?」


いざとなったら頼りになる男だ。達哉のことに関しては、頼れるのは向井君しかいない。


「達哉がいなかった。6限目が始まる前に帰っちゃったんだって。どこ行ったと思う…?」


何となく、何となく分かってはいるのだが、あくまであたしの予想だ。違うかもしれない。


「家に帰った…ってのはねぇよな。達哉だし。多分S高に行ってんだろ。」

予想通りの返答。あたしが考えていたことと同じだった。

多分、S高に行ったんだろうな…
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