Foolish boyfriend~5年前の約束~
ピッタリと机に顔を引っ付けて、ドアの方を見ていると、不意にガラッと音を立ててドアが開いた。
「「あ……」」
そのドアを開けた人物と、声がハモる。だけど、バッチリ合った目はすぐさまに逸らされた。
「お、そくなってわりぃ…」
そんなあからさまに逸らされるとね、さすがのあたしも傷つくよ。
「……うん、大丈夫。あ、チャイム鳴りそうだからあたしもう教室に戻るね。」
達哉の横を通って、目も合わせずにすれ違った。あたし今、きっと涙目だから、目合わせらんないや。
そんなあたしを、達哉が引き留めることはなかった。やっぱり、いつもとは違う。
「バカ達哉」
零れそうになった涙を、グッとこらえて歩き出す。