Foolish boyfriend~5年前の約束~
あたしの彼氏
結局寝付けなかった。鏡に写るあたしの顔は、とてつもなくブサイク。
「はー…、眠い…」
おまけに、寝不足だ。
あぁ、今日はせっかく達哉と遊園地デートなのに。このままじゃ、楽しめない。
「舞子ー、急ぎなさい、遅刻するわよー」
お母さんの声が寝ぼけた頭に響く。もう行かなきゃならない時間なんだ。
きっと達哉はもう迎えに来てる。何て言おうか?そもそも、朝からそんな暗い話をしていいのか……
「行ってきまーす…」
そうお母さんに言うと、お母さんは少し悲しそうな顔をした。あたしのこの暗い雰囲気を感じ取っているんだろう。
「行ってらっしゃい」
ドアを開けて外に出ると、塀に寄りかかって待っている達哉がいた。あたしがあげた、チェックのマフラーをつけていた。
「おー、舞子おはよ」
ニコニコ笑っている達哉を見ると、やっぱり転勤のことは言えそうにない。