Foolish boyfriend~5年前の約束~
「おはよ」
あたしのことに関しては敏感な達哉。少しでも落ち込んでいる素振りを見せれば、すぐに気づかれてしまうだろう。
「昨日ちゃんと寝た?」
ドキッと、心臓が波打った。もしかして、バレた?
「な、んで?」
平然を装って、そう問いかけると、返事は意外にも簡単なものだった。
「いや、眠そうだったからさー。」
何だ、そんなこと。
それでも、あたしの小さな変化に気づいた達哉は、やっぱりあたしのことよく見てるんだなー…
「遊園地が楽しみで寝れなかっただけだよ。あ、でも全然元気だから大丈夫。」
「そっか。無理すんなよ、遊園地は別の日でもいいし」
別の日…か…
その別の日が、来るのか分からないのに。もしかしたら、最後のデートになるかもしれないのに。
「大丈夫、遊園地行こ」
「そうだな。じゃあ、学校終わったら教室まで迎えに行く」