Foolish boyfriend~5年前の約束~
"は?なめてんの?"
なんて、すぐさまに言われた。
"俺が舞子に手出させるわけねぇじゃん。そんなことしたら、俺そいつ殺すよ?"
怖いって。
最初の言葉を聞いたときはちょっとキュンとしたけど、その言葉の続きを聞いた瞬間に笑顔が引きつったのを覚えてる。
「舞子、それちょーだい」
あたしが返事をする前に、あたしの手から紙パックのミルクティーを奪った達哉。
普通にしてればカッコいいのに。たまに可愛いこともあるけど。
「もー、勝手に飲まないでよ…」
なんで、あの言葉を怖いと思ったのか、考えているうちに自然と答えは出た。
…達哉なら、ほんとにやりかねないからだ。だから怖い。
「いいじゃん、減るもんじゃないんだしさ。」
「バカ、減るもんだよ」
悪戯っ子のように笑う達哉は、可愛かった。あたしまで笑顔になってしまうような、可愛い笑顔。
そんな達哉の、喧嘩相手を見るときの表情は、きっとあたしに向けられることは一生ないだろう。