Foolish boyfriend~5年前の約束~
「はいはい、じゃあな」
半ば呆れ気味の向井君は、手を振って歩いていった。
「よし、行くか」と言って、あたしの手を引達哉。
遊園地なんて、達哉が行きたいわけないのに。そういうとこ、好きじゃないっていってた。
「ほんとに遊園地でいいの?」
あたしが行きたいって言ったから、無理してるんじゃないの?
「別に、俺はどこでも良かったし。あそこ、健吾に夜景が綺麗だって聞いたんだ。」
どこでも良かったんだ。
まぁ、達哉らしいけど。
あたしの手を握って歩く達哉の手は暖かくて、あたしの手の冷たさを暖めてくれるようだった。
「来週はクリスマスだなー。舞子、どっか行きたいとこある?」
急にクリスマスの話が出たことで、思わず驚いてしまった。
もしかしたら、あたしはその次の日には、達哉の近くにいないかもしれない。
「あー……、あたしは特にないけど、達哉行きたいとこある?」
「……ねぇけど、考えとく。」