Foolish boyfriend~5年前の約束~
ガキな俺が出した答え
ー達哉sideー
「達哉は、さ……あたしに、どうしてほしい…?」
そう言った舞子の目は、悲しそうで、それでも何だか期待しているような目だった。
「行くな」って、言いたい。
舞子が遠くに行くなんて、考えられるわけねぇだろ。
無理矢理にでも引き留めたい。ずっとずっと側にいてほしい。
離したくない。
でも、そんなこと言えねぇよ。
「舞子が行きたいって言うなら、俺に引き留める権利はないし……でも、別れる気はない。」
嘘だって。引き留める権利なんて、なくても引き留めたいんだよ。
でもさ、俺の家は父子家庭だから、よく分かるんだ。母親がいないのって、結構辛い。
もしも舞子がついていかなくて、一人暮らしすることになったら、きっと一人ではやっていけない。
当たり前だ。まだ高校生なんだから。
一緒にいたいからって、そんな勝手な我が儘言ってられるほど、ガキじゃないんだ。
かと言って、一人で生きていくことなんて、到底無理。そんなに大人じゃない。
「そっか……、分かった…」