Foolish boyfriend~5年前の約束~
ガキな俺が出した答え。
舞子を傷付ける、最低な答え。
「夜景、綺麗だな……」
こう言うのが精一杯で、舞子の方なんて見れなかった。夜景を見ているはずなのに、見ている気がしなくて。
「うん、そうだね…」
心なしか、舞子の声が震えているように感じた。
これも全部、俺のせい。
変に喋らない方がいいのかもしれない。今、何て言えばいいのかも分からないし。
もうすぐ観覧車が、一周を回りきってしまう。降りたら、いつもみたいに話せるかな?
つーか、話さなきゃな。いつもみたいに。
沈黙が続く観覧車内。
すぐそこに、サンタの帽子を被った女の人がいる。さっきもあったけど。
短かったな、時間。
楽しかったからか?
何でもいいけど、もう少し一緒にいられたらな。って、俺は毎日思ってるけど。
―ガチャ…
観覧車の扉が開いた。
「足元に注意して降りてくださいね。」
俺が先に降りて、舞子に手を差し出した。それを、何の抵抗もなく握る舞子。
大きな時計台の前で立ち止まって時間を見ると、もうすぐ閉園の時間だった。
「舞子、帰ろっか」
「うん」
あからさまに落ち込んでいる舞子。
そんな姿を見ていると、"俺が間違えたのか"と思ってしまう。