Foolish boyfriend~5年前の約束~
もっと、違う答えがあった。
あれは俺の答えじゃないんだよ。
だから…
お願いだから
俺のことを好きでいてくれ。
「寒いね……」
消えそうなほどに、小さな声で、舞子がポツリとそう言った。
「ほんと、寒いよなー」
そうだ、クリスマス。
まだクリスマスがあった。
「舞子、クリスマスどうする? 行きたいとことか、ある?」
もしも舞子が遠くに行くなら、クリスマスは引っ越しの前日だから、暇じゃないかもしれない。
「今日は遊園地に連れてきてもらったんだし、クリスマスは達哉が行きたいとこがいいな」
俺が行きたいとこ、か。
「じゃあ、考えとく」
とは言ったものの、どうすっかなー。
クリスマスデートって、舞子とは始めてだしさ。
それに、もしかしたらもう当分デートなんか出来ないかもしれないし。
「ねぇ」
「何?」
あぁ、もう少し遠くの遊園地に行けばよかった。そしたら、一緒に居られる時間がもっとあったのに。