Foolish boyfriend~5年前の約束~

――――――――
―――――――――…


「クリスマス、俺が舞子の家まで迎えに行くから、待ってろよ。」


「うんっ、分かった」


もうすぐ家についてしまう。

こんな少しの時間でも、離れるとなれば、大事な2人きりの時間。


まだまだ足りない。

今日1日一緒にいたって、足りないくらい。今だってほら、離れたくない。


「舞子」

名前を呼ばれて達哉を見ると、急に腕を引かれて、気づけば達哉の顔が目の前にある。


「好きだ…」

そう言われたかと思えば、フニッと、唇に暖かくて柔らかい感触。


何の香水かも分かんないけど、達哉の匂いが鼻を掠める。この匂い、大好きなんだ。

最近、当たり前のように、達哉は家に着く直前にあたしにキスをする。


不意打ちだったり、ちゃんと言ってからだったり。まぁ、どっちにせよあたしはドキドキさせられるんだけど。



「どうしたの、そんな泣きそうな顔して」


唇を離したときの達哉の顔が、あまりにも悲しそうで、思わずポツリと口から出た言葉。


「バーカ、泣かねぇよ…」


達哉はそう言うけど、あたしには分かるよ。無理して笑わないで。

泣きそうなのに、我慢しないで。



「どうしたの、そんな泣きそうな顔して」



唇を離したときの達哉の顔が、あまりにも悲しそうで、思わずポツリと口から出た言葉。



「バーカ、泣かねぇよ…」



達哉はそう言うけど、あたしには分かるよ。無理して笑わないで。


泣きそうなのに、我慢しないで。
< 78 / 128 >

この作品をシェア

pagetop