Foolish boyfriend~5年前の約束~
最近では男子も話しかけてくれるようになったけど、前はヒドかった。あたしだけ、避けられまくり。
きっと、達哉が怖かったんだろうなって、分かってたけど悲しかった。
"可愛い顔して、やることは怖い"
そう噂されているのを、たまたま聞いてしまった。まぁ、その通りだから否定は出来ないけど。
「あ、そうだ。舞子、俺身長5ミリ伸びてた!
今成長期!」
5ミリって…ね。
5ミリ伸びたと言う達哉の姿を、横から盗み見る。
あぁ…………チビのくせにさー。茶髪にしちゃって。余計カッコよくなったよ。
「何だよ?」
あたしの視線に気づいた達哉がそう問いかけた。カッコよくなった、なんて、死んでも言ってやんない。
「……相変わらずちっちゃいな、って思ってただけー。」
照れ隠しに、嘘をついた。知ってるよ、身長が少しずつ伸びてること。でも言わない。
「黙れバーカ」
ほら、あたしがちっちゃいって言っても怒らない。さっきはこれが原因で喧嘩してたのに。
やっぱり、愛されてるなーって、改めて実感。
「ねぇ達哉」
「ん?」
バカっぽい顔で、あたしを見た達哉。ずっとこんな達哉だったらいいのに。
「あたしが、喧嘩しないでって言ったら達哉どうする?」