Foolish boyfriend~5年前の約束~
「歩いて行くの?」
「おー。近いんだ、ここから。」
この辺から見ても、すでにクリスマスツリーとか、イルミネーションとか、キラキラ光ってて綺麗。
いつもは人なんてあまりいないのに、今日はカップルで賑わっている。
「ジングルベール、ジングルベール、鈴が鳴る~♪」
クリスマスソングが流れているから、クリスマス気分全開。今日はクリスマスなんだ、と、周りを見ればすぐに分かるような状況だ。
「いつも以上に賑やかだね」
「クリスマスだからなー。みんな浮かれてんじゃねぇの?(笑)」
そんなこと言って、浮かれてるのはあたしたちも一緒なのになー。
「舞子、こっち」
ボーッとしていたら、達哉に手を引かれた。
そっちの道は、人がいないのに。
「何か怖いね…」
キラキラ光っていた風景とは一変。こっちの道は、正直言って行きたくない。
「あぁ、暗いからなー」
暗いどころの騒ぎじゃない。
何も見えないよ、目つむってるみたいだよ。
「ねぇ達哉、ほんとにこの道なの?」
いや、達哉を疑ってるわけじゃないんだけど、あまりにも怖すぎて。
「うん。何だよ、怖いの?」
うん、そうだよ。怖いよ。
怖いに決まってんじゃん!
お化け屋敷とか、そういう非科学的な物体とか(幽霊ね)苦手なんだもん。
「怖いよ、真っ暗じゃんこの道っ」