Foolish boyfriend~5年前の約束~
「うん、ずっと考えてたよ。誘拐して監禁でもしてやろうかと思ってたし。俺のとこに来てくれるんなら、本気で外に出す気もなかったし。」
自分の彼氏ながら………ほんっとに、恐ろしいことを言うんだから…
誘拐に、監禁?
犯罪だよ、それ。
まぁでも、達哉ならほんとにやっちゃいそう。
今まで無茶ばっかしてきたような人だし。今さら何言ったって驚かないけどさ。
「監禁は、さすがにね…。」
「だよな(笑) でも、俺結構本気だからな」
「知ってるよ。そういう人間じゃん、達哉は」
そう言って顔をあげると、優しく微笑む達哉と目が合った。
「誘拐も監禁もしないから、いっぱい会いに行く。メールも電話もいっぱいする。だから、浮気すんなよ?」
「しないよ。達哉も、浮気しないでね?」
するわけないって、分かってるんだけどね。
自分で言うのもなんだけど、溺愛されてるから。
「しねぇよ。するわけねぇじゃん。あ、もし浮気したら、浮気相手殺しに行くから」
ニッコリ笑って言ったけど、笑顔で言うことじゃないだろう。
「じゃあ、あたしも達哉が浮気したら、浮気相手殺しに行くからね」
可能性は限りなく0に近いけど。
こんなこと言うあたしも、達哉と同じくらいおかしいのかもしれない。
「うん、殺しに来て。待ってるから」
待ってるから、なんてさ。
ほんとに、変な人。
彼女が人殺しでも構わないのかな。
「あ、クリスマスプレゼント」
ガバッと体が勢いよく離れたかと思えば、ポケットをごそごそと探り始めた達哉。