Foolish boyfriend~5年前の約束~
「ん……」
唇を食べられてるみたい。
唇をペロッと舐められて、背筋がゾワッとした。
どこでこんなキス覚えてきたんだか…
可愛いくせして、随分大人っぽいキス。
「ふ……はぁ……」
あたしの唇に軽く吸い付いて、離れた。
息をつく間もなく再び、カプリ、と食べられてしまったあたしの唇。
食べ物だとでも思っているんだろうか?
軽く噛んだり、舐めたり。その度にあたしは息を乱すのに、達哉は慣れているようだった。
「ん……」
そんなキスを繰り返している内に、唇がジンジンとし始めた。痛いとか、そういう意味じゃなく、熱くなる感じ。
「顔真っ赤」
「うるさいなぁ…言われなくても気づいてるよ」
キスが終わったあと、おでこをくっつけてニッと笑う達哉。
「明日、俺見送り行くから」
「うん、待ってる」
泣きそうになった。
ギュッと痛いくらいに抱き締められて。あたしも達哉の背中に手を回した。
あたしを家まで送ってくれる達哉が、あたしのことを一番に好きだと言ってくれる達哉が、近くにいないなんて。
そんなの、考えたくない。
「舞子のこと傷つけるやつがいたら、俺に言って。俺、どこにいてもすぐに舞子のとこに行くから」
「何それ、ヒーローみたい(笑)」
「俺は舞子専属のヒーローなんだよ」
どこにいても、あたしを助けてくれる。
達哉はあたしの、あたしだけのヒーロー。