Foolish boyfriend~5年前の約束~
初めてこんなこと言った。今まで、思っていたけど言えなかったこと。
「達哉…?」
反応のない達哉を見ると、思いっきり目をそらされた。もう、あからさまに。
「無理無理、絶対無理。いやー、舞子の口からそんな言葉が出るとは……目から魚だな。ははは」
目から魚……ね。
目から魚…
「目からウロコでしょ、バカ。」
やだなぁ、もう。目から魚を想像しちゃったじゃん。グロテスクなやつ。
「…そうそう、目からウロコ。目から魚って、どんなだよ!(笑)」
自分で言って自分で爆笑している達哉。あーあ、あたしの話は流されちゃったわけね。
とりあえず、喧嘩をやめる気はさらさらないということですよね。まったく…
「あ、見て舞子。」
ヘラヘラ笑いながら達哉が指さした方向を見ると、小さな男の子と女の子が手をつないで歩いていた。
「可愛いね」
「あれじゃなくて、あっち」
指さしていたのはその子たちじゃなくて、奥にいた中学生だった。
「何?」