【短】クリアネス-未来へ-
プロローグ
一晩降り続けた嵐は
皮肉にも明け方やんで
僕はこの部屋を出て行くことを
改めて決意する。
波打つように乱れたシーツ。
それに包まり
ひっそりと寝息をたてる彼女。
窓の外の芝生が
雨粒を残して濡れているように
彼女の頬にも
一夜分の哀しみの跡が残る。
その頬にキスはしない。
君を
起こしてしまうから。
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