【短】クリアネス-未来へ-
帰宅した部屋は
いつもと何も変わらなかった。


西日が図々しく割り込んでくる
時の止まった部屋。


「―――…」


捨てるように
ランドセルを背中から滑り落とした。

どさっ、と重い音が足音でして
それがやけに大きく聞こえた。



……ふと


自分以外の気配を感じた。


俺は振り返り、その方向に目をやる。



…揺らめく
カーテン。



今朝閉め忘れた窓辺で
カーテンが風に煽られ踊っていただけだった。




俺は……



一瞬

何を期待したんだろう。
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