【短】クリアネス-未来へ-
彼女
【彼女】
孤独そのものだった
小学校時代と打って変わって
中学に入ってからは
驚くくらい簡単に友達が出来た。
まずキッカケは女子達。
『新入生人気投票』なんていうノーテンキな企画が密かに実行され、俺は見事ダントツ1位に輝いたのだ。
俺の周りにはいつも女子が群がり
そしてそのミニスカートからのぞく生足に
サカリのついた野郎どもが群がった。
俺はしだいに
他人との上手な接し方を身につけていた。
「大塚君ってどうして彼女作らないの?」
隣のクラスのユリカが、栗色の髪を耳にかけながら、俺を見た。
「――どうして…って、そりゃあ…」
「そりゃあ?」
「…モテないから」
「はあ?!」
ユリカは大げさに眉を吊り上げ、鼻からフンッと息を吐いた。
「誰が見たってモテまくりの大塚君が、何言ってんのよ。言い訳?」
「何だよ、言い訳って」
「だ~から!彼女を作るのが面倒だから、そんな言い訳してるんでしょ?」
なぜかユリカは機嫌を損ねる。
もういいよ、と顔を伏せた彼女の耳元から、かかっていた髪がはらはらと落ちた。
孤独そのものだった
小学校時代と打って変わって
中学に入ってからは
驚くくらい簡単に友達が出来た。
まずキッカケは女子達。
『新入生人気投票』なんていうノーテンキな企画が密かに実行され、俺は見事ダントツ1位に輝いたのだ。
俺の周りにはいつも女子が群がり
そしてそのミニスカートからのぞく生足に
サカリのついた野郎どもが群がった。
俺はしだいに
他人との上手な接し方を身につけていた。
「大塚君ってどうして彼女作らないの?」
隣のクラスのユリカが、栗色の髪を耳にかけながら、俺を見た。
「――どうして…って、そりゃあ…」
「そりゃあ?」
「…モテないから」
「はあ?!」
ユリカは大げさに眉を吊り上げ、鼻からフンッと息を吐いた。
「誰が見たってモテまくりの大塚君が、何言ってんのよ。言い訳?」
「何だよ、言い訳って」
「だ~から!彼女を作るのが面倒だから、そんな言い訳してるんでしょ?」
なぜかユリカは機嫌を損ねる。
もういいよ、と顔を伏せた彼女の耳元から、かかっていた髪がはらはらと落ちた。