【短】クリアネス-未来へ-
「…ん~。好みじゃねえな」

俺は甘えるような視線を向ける、色白のグラビアの女の子を見て、首をひねった。


「えーっ、可愛くね?」

「イマイチ」

「じゃあハヤトはどんなタイプがいいんだよ」

「ん~……もっと大人っぽい感じ?」

「大人っぽい?」

「うん、例えば…」


俺は事務所のソファの上で四つんばいになると


「こんな感じ」


女豹のポーズをキメた。


ぶはっ!とタカノリが噴き出し、それを見て悪ノリした同僚達が


「ハヤトく~ん。いいよ~そのポーズ」

「たまんないよ~」


と、俺のセクシーな姿を携帯カメラで撮影し始める。


俺は調子に乗ってさらに腰をクネクネと動かし、場を盛り上げた。


そして何となく

向かいのマンションにもう一度視線を走らせる。



……彼女は笑っていた。


俺のこのふざけた姿に、可笑しさを顔中からこぼし、こちらを見ていた。


その表情は

あまりに綺麗で




どんなグラビアアイドルの
挑発的な姿より



俺の心に


……どストライク。



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