【短】クリアネス-未来へ-
俺は足を止めた。
本当、バカだ。
彼女の声を聞き逃せないこの耳も
彼女を振りきって歩き出せないこの足も。
さくらの気配が近づくのが分かって
俺はゆっくり
振り向いた。
凍えたように震えながら、徐々に開かれる彼女の唇。
ダメだ。
言わないで。
本当に終わりになってしまう……
「……好き」
……あぁ…。
「好きなの」
…俺も……。
「レオが好き」
…俺も――さくらが好きだよ。
だけど
「ごめん。さくら……」
辛い言葉を
言わせてごめんね。
おかしいね。
“好き”
本当なら
こんなに幸せな言葉は他にないはずなのに。
「ごめん……」
――好きだよ――。
.
本当、バカだ。
彼女の声を聞き逃せないこの耳も
彼女を振りきって歩き出せないこの足も。
さくらの気配が近づくのが分かって
俺はゆっくり
振り向いた。
凍えたように震えながら、徐々に開かれる彼女の唇。
ダメだ。
言わないで。
本当に終わりになってしまう……
「……好き」
……あぁ…。
「好きなの」
…俺も……。
「レオが好き」
…俺も――さくらが好きだよ。
だけど
「ごめん。さくら……」
辛い言葉を
言わせてごめんね。
おかしいね。
“好き”
本当なら
こんなに幸せな言葉は他にないはずなのに。
「ごめん……」
――好きだよ――。
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