戦国彼氏
「お市♪誕生日もうすぐだね。」



ミネちゃんはリップクリームを塗りながら元気がない私の方を向く。



「…新政は知ってるんでしょ?お市の誕生日。」


ぶんぶんと首を横に振ると、ミネちゃんは嘘!?と大声をあげた。


「そんなんであんたら大丈夫なわけ!?」


「大丈夫じゃない……うん。」




気力のない返事に、ミネちゃんは溜め息をつく。



「ちゃんと祝ってもらないなさいよ?」






「わ…わかってるもん。」






よし!!


ちゃんと言わなきゃ…




勇気だけが友達さアンパ〇マン!!







――――――――……



「市の誕生日?」


放課後、私は緊張しながら新政くんに言った。



「そうッ!だから…」


顔を赤く染めながら、背が高い新政くんを見上げる。








「い…一緒に…祝ってくれる…?」





新政くんはキョトンとした表情になると、優しく微笑んだ。



「ああ。もちろん。」


「…ッほんと!?」


「うん。」



「……やったぁ…。」




本当に嬉しそうに笑う市に、新政はドキッとなった。



こ…これは良いムードなんじゃ?





「…市…」



新政は市の顔に近付く。









ガラッ!!!



「お市帰ーろーッ♪」

丁度ミネが教室に入ってきたのだった……。


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