戦国彼氏
「とにかく!今すぐ煙草を置け!!」


…あたしはどっかの刑事か。



まるで銃を持った犯人とそれを止める交渉人のような変な展開になったが、なんとか唯井新政の煙草は床へと落ちた。


チッと舌打ちする唯井新政。


「なんで煙草なんか吸うの?」


私の質問を苛々した表情で聞いている。


「俺の勝手だろ。あんたウゼェ。」


「こんなのバレたら停学だよ!?せっかく転入してきたばっかなんだし、もっと皆と仲良くしよーよ♪」



めげないめげない。


カッコィィ唯井新政と仲良くなりたいって皆思ってるはずなんだから!







「仲良く…ねぇ?」


唯井新政は目線を落とす。



「何が望みなの?」


「えっ?」


「金?いくら欲しいわけ?」


お金!?なになにッ?なんでそうなんの!?


「2万?3万?もっとか?」


ま………万円!!?


2、3万あれば戦国〇双のフィギュアが何個も何個も…ッ!!って違ぁう!!



「お金なんかいらないよ!?(ほしいけど)私はただ新政くんと仲良くしたくて…ッ!」


「……………。」



唯井新政は私を睨みつける。



「…市川…市ねぇ。ふぅん?」


「?」




唯井新政は私に近付くと、私の耳に口を近付ける。



「覚えてろよ。」




そう言って屋上から出て行った。


残された私は何度もさっきの言葉をリピートする。



ん?覚えてろ…覚えてろよ?



その言葉の意味を理解した私は体内の血がサァーッとひいていく。


な…なんか私…


とんでもないヤツと関わっちゃったんじゃーー!?Σ(T▽T;)
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