戦国彼氏
……夢を見た。


真田幸村と伊達政宗が三途の川でおいでおいでをしている夢。



いや…これ夢なのか?



「お市ちゃあーん…おいでー。」



ああ、行きたい!!


でも行ってはいけない気がする…



でもナマの真田幸村と伊達政宗が並んでいるッ!!



「今行くよーッ…」



川を渡ろうとした私の手を、誰かが掴んだ。











「……ち!」



「…お市!!」




目が覚めると、保健室に私は横たわっていた。


皆は心配そうに私を囲んでいる。


「お市!大丈夫?」


ミネちゃんは私の右手をギュッと握っている。


「急に倒れるからビックリしただろ!!」


清ちんは私の右手を。



「…お、大袈裟だよ皆。」


私は照れながら笑うと、皆はほっとした顔になった。


「ちょっと出てきなさいよ!ほぼあなたのせいでお市倒れちゃったんだから!」


ミネちゃんは怒鳴ると、カーテンの向こうから渋々と唯井新政が現れた。



「…あ…らああら新政くん!!」


私は顔を真っ赤にして布団から飛び起きる。


唯井新政は頭をポリポリかいて、あー…と声を出した。



「…悪かった…な。」


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