戦国彼氏

初でぇと

さっきのバカップルはもういなくなり、また違う人が待ち合わせをしていた。



…ただいまの時刻1時5分。



あれから私は10分待った。



…あれれ?あっちから誘ってきたんだよね?


初デートに遅れる奴があるかーーッッ!!!




「…お待たせ。」


「えっ?」


かすれるような低い声がして、振り返ると唯井新政の姿が。



何故か顔は殴られた跡が。


手はナイフでかすったような切り傷。



「ちょっ…どうしたの!?この傷!!」


「…なんでもねぇよ。」


いやいやいや。


絶対あるでしょ!!



「……痛ッ」


「ほらぁッ!!駄目だよ!!無理しちゃ…」


私は痛がる唯井新政の手を引っ張ると、駅と逆方向に歩き出す。


「…おい…どこ行くんだよ?」


「市の家ッ。」



「はぁ!?」




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