戦国彼氏
それから私と里子ちゃんは意気投合。


楽しい話で皆盛り上がった。



「驚いたよー!里子ちゃんも戦国ゲームしてたなんて!!」


「外国にいた頃は結構暇だったからよくやったわー。もうお城とか迷路みたくなってるんよー。」


「だよね!!お城とかさー石川五右衛門なんてめっちゃ足遅いしさー。」




その間の男達は無言。

静かに私達の話を聞いていた。







―――――――………

「あら、もうこんな時間やわぁ。」


里子ちゃんは腕時計を見て驚く。


時刻はもう8時を過ぎたとこ。




「ヤバ!!私も新政くんのとこ行かなきゃ!」


私も立ち上がると、清ちん達も疲れたように背伸びした。





…あ。でも…新政くん甘いの好きだったっけ。


「ねぇ里子ちゃん。あんみつってまだある?」


「あんみつ?売り物はもうないけど作ればあるわ。」


「本当!?一緒に作っていい?」


「喜んで♪」





私と里子ちゃんは厨房に向かう。



「ごめんね。手間とらせちゃってー。」


「別にかまへんよ。お陰で二人っきりになれたと思うし。」



「……ん?二人っきり?なにが?」



里子ちゃんは慌てて口を抑える。



「な、なんにもあらへんよ。ただ…ちょっと。」



「……?」



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