戦国彼氏
「寂しいから色んな女の子と遊ぶの?」


「別に寂しくなんかねぇよ。」


唯井新政はまだ目を逸している。


「新政くん。ちゃんと市の目を見て。」


「…………ッ。」






私の目と、唯井新政の目が合った。


唯井新政の目は不安そうに揺らいでいる。




「ちょっとなんなのよー!?早く行こうよ。新政。」


デリカシーの欠片もない女が新政の手を取る。


唯井新政はその手を振り払った。



「お前なんかに俺の気持ちなんてわか…」


「わかるよッ!!」


私はだぁんッと唯井新政にアタックした。


唯井新政はその衝撃で地面へ尻餅をうつ。



「痛っってー!!」


「新政くんの方がわかってないよ…ッ!」


「…は?」


「新政くんが休んで…ミネちゃんや清ちんや私が…どんなに心配したかわかってんの!?色んな女の子と遊んでないで…………」







ミネちゃんと清ちんが走って私達に近付く。








「市達は仲間でしょぉ…ッ!!寂しかったら…皆でモスバーガー行こうよ…」













「…いち……」





唯井新政は私の泣き顔を見上げる。



ミネちゃんと清ちんはふぅッと溜め息をついて唯井新政に手を差し延べた。



「そういうことッ。」


「…トモダチだかんな?」









「……お前ら…寒すぎ。」


唯井新政はそう笑って立ち上がると私の頭をくしゃくしゃ撫でた。
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