戦国彼氏
☆市☆





朝起きて、洗面所の鏡に映った私の顔は酷いものだった。



「目真っ赤……」


昨日の夜新政にあんなこと言われて…そしたら涙が止まらなくて…


悲しくて…








手をぎゅっと握ると、水で思いっきり顔を洗った。


…ミネちゃん達に気付かれないようにしなきゃ。







―――――――………

「うわ~ぁ、お市どうしたのその顔!」



…き、気付かれた!!(゜Д゜;)


ミネちゃんはまつ毛をくるんくるんにしながら驚いた顔で見てくる。


「どうせ昨日夜遅くまで戦国ゲームしてたんでしょ?わかってるんだから!」


「………は?」



え?なにそっち?


まぁバレなくてよかったけど……。(汗)







しばらくして清ちん達男子グループが家の外で待っていた。


「おせーよお前ら!」

特に清ちんがプンプン怒ってる。


そのなかで私はある事に気がついた。




「あ…新政くんは?」


慎くんも那己くんもいるのに、新政くんの姿だけがない。


清ちんはああ、と頷く。


「昨日急に電話きてさ、今日は帰るって言ってマジで荷物持って帰ってったよ。」



ズキンと胸の奥が疼く。



「…そ…うなんだ。」




不安に揺れる市の瞳を清ちんは何かを感じとっていた。
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