戦国彼氏

第五章 恋をして

私はひたすら走った。


新政くんに伝えなきゃ。


私は…






私は………！！






教室に入ってキョロキョロ見渡すが、唯井新政の姿はない。



「あ、新政くんは！？」


私はミネちゃんに飛び込む。


「お市！？ビックリしたぁ。新政ならどっかでサボってんじゃない？」


「ええ！？…ありがと、んじゃね！」



私は教室を出ると、今度は新政くんの居そうな場所を捜す。



「食堂！」


いない！




「図書室！」


い、いない！！




「職員室！！」


いるわけない！！




「トイレ！！」


入れない！！










息を切らしてその場にへたれ込む。



「い…いないょぉ(T_T)」


どこにいるの？


伝えなきゃ…今日じゃなきゃ駄目なのに。




私は歯をくいしばると、立ち上がってまた走り出した。