恋奏~love harmony~






着替えてから書斎に行こうかと思ったが

結局制服のまま行くことにした


「おかえり、まり
学校はどう?」

父親である優都さん
奥さんは凛子さんという名前だ


「いつも通りですよ」


「そうか」



そう言ってにこりと微笑む


「それとね
私たちはちょっと仕事でパリに行ってくる

1ヶ月くらい帰って来れないかもしれないから

留守番の方よろしくな」



「はい」




あたしと両親たちの間には
ちょっと他人行儀なところがある

あたしから一方的に壁を作ってるのかも知れないけれど。

原因は分かってはいる
あの事だ。



「じゃあ、もう部屋に戻っていいよ

わざわざ悪かったな」

そのことを考えたいると優都さんが声をかけた


「いえ、仕事お気をつけて行ってきてください」


「ありがとう」


「失礼します」



重い扉を閉めて
今度こそ部屋に戻った



あたしの後ろ姿を寂しそうな瞳で見つめられていたことに気づかずに…








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