恋奏~love harmony~







あたしはそれだけ言うとサッと立ち上がってソウに背を向けた


そのまま何も言わずに立ち去る



ソウはあたしの雰囲気を悟ってかその後は何も言わなかった。




しかし、あたしは気付かなかった


無言だっただけで

どこか寂しそうな、辛そうな瞳であたしの背中を見つめていたなんて。


















「ただいま」


「お嬢様!
こんな朝早くからお出かけでどちらに?」


家に帰ると一番あたしに親しいお手伝いさんがあたしに寄って訪ねてきた


「うん、ちょっとそこまで。」


「…そうですか
おかえりなさいませ

朝食はどうなさいます?」


「いいや、ありがとう」





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