恋奏~love harmony~





て言ってもあと15分以上も時間あるけど。



「あ、ほんとだ
あの先生くるのギリギリだとめんどくさいんだよね」


あの声のやたら高い先生か。



小春は時計を見て慌てるようにあたしの腕を掴んで早歩きをしだした

そこまで急がなくても…


あたしたちが行くと周りもやばいやばいと急ぎ出した




講堂についてやっと式が始まり校長の長い話が始まった

そういえばこの校長…


「小春、あの校長って実はヅラなんだよ」


「……え!?」


小春に耳打ちをすると予想通りの反応をしてくれた

少しだけ周りにも聞こえてしまったらしく少しだけざわついた


「それ本当??」


「うん
この前紙を落とした校長が拾おうとして屈んだら同時にパサッって。」


「………ぶっ」


実際あたしも目の当たりにしてちょっとびっくりしたっけ

小春はふきだすと声が出ないように笑いだした

その周りも声を我慢して笑っている


このタイミングで言うのはまずかったかな?


そんなことを思いつつ先生に注意されてめんどくさいことにならないか気にしているといつの間にか校長の話も終業式も終わっていた


「まりちゃんありがとう
退屈の終業式があっという間に終わったよ」


なんて小春にお礼まで言われた

あたしもそこまで笑ってくれるとは思わなかったよ





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