恋奏~love harmony~








丘に付いたあたしは無意識に教会に入って

ピアノのいすに座っていた






不意に手紙の存在に気付いて手の中にあるソレを見つめる


『まりがこの手紙を見ているときにはもう私たちはこの世にいないいんだろう』


その言葉が頭に浮かぶ



両親がこんな出だしで手紙を綴るってことは

お父さんとお母さんは初めからこんなことになるって気づいていたってことだよね?


どうして?

どうして、知っていたの?

どうしてあたしには何も教えておいてくれなかったの?


さっきからこんなことばかりが頭を占める



「また、泣いているのか」


「!?」


そこには2回目に会った時のように背をあづけているソウの姿


「…どうして……」


「さあな。」


さあなって…



「それで?」


「??」


「どうして泣いているんだ?」


ああ、本当だ

あたし泣いていたんだ



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