恋奏~love harmony~
ソウに言われた頬を触ると泣いていた
また、このパターンか…
そんなくだらないことを考えて。
「大丈夫か?」
「…大丈夫よ。」
「嘘だろ。
そんな顔してない」
「………」
「お前、ちょっと来い」
「…どこによ」
「いいから。」
いつの間にあたしのとこに来ていたのか、ソウに腕を掴まれていた
そのまま引っ張られて無理やり立たされ
腕を掴んだままのソウはゆっくりと歩き出す
「ねえ、ほんとにどこに行くつもり?」
「俺らんとこ」
俺ら?
引っ張られたまま丘を下ったら
そこにあったのは大きなバイク
「ん」
と、一緒に渡されたのはバイクのヘルメット
「なに?」
「つけろ」
一応受け取ってみるものの
つけ方が分からない
ヘルメットを見つめたままのあたしに気付いたのか
はあ、というため息とともにそのヘルメットをあたしから奪って
あたしの頭につけてくれた