恋奏~love harmony~






それから10分




ガチャ


ソウがお風呂から上がってきた


「ドライヤーありがおとう
ソウも使うでしょ?」


目の前に立つソウにそう言うと


使おうとせずに片つけ出した


「また風邪ひくよ?」


「いつもそのままだからいい」


「うん、だから風邪ひくんだよ」


その言葉でムスッとしたソウからドライヤーを奪って
またコンセントに繋ぎ直した


「はい。
座って。」


ソファーの上に座らせてあたしは後ろに立った


そのまま勝手にソウの髪を乾かしているけど
ソウが嫌がったらやめようと思っていたあたしは大人しくしているソウに

半分驚きと
半分安心な気持ちを持って乾かし続けた



「気持ちい」


「うん?」


「こういうのもなんかいいな」


「うん

ソウの髪柔らかいね」


本当にうらやましいくらい細くて柔らかかった





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