恋奏~love harmony~





あたしを抱きしめて耳元ですごくさびしそうな
それでいて安心しきった声を出す


「いるよ
勝手に出て行ったりしないよ」


「あぁ…」


より一層強く抱きしめるソウに背中に手をやりポンポンと軽くたたいた


少ししたらソウは腕の力を緩めた


そのことを合図にあたしも話を切り出す


「朝食食べるでしょ?
用意しておくから着替えて顔洗ってきたら?」


「あぁ」


ポンとあたしの頭を叩いて部屋を出て行ったソウに続いてあたしもキッチンに向かう

そろそろご飯炊けるよね


うん。あと8分だ


炊飯器を見ると残りの時間が表示されていたのでそれを確認して

魚を焼き
味噌汁を温め直して
卵焼きを作った


「マリ」

「うん?
もうすぐできるから座って待ってて」


「…わざわざ作ってくれたのか?」


「わざわざって言っても簡単なのしか作ってないよ?
ソウの口に合うかわかんないし。」


「いや…さんきゅな」


照れくさそうに言うソウにふふふと思わず笑みがこぼれる









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