銀杏
「尊ー。おばちゃーん!」
呼び声と共に開けようとした玄関は鍵がかかっている。
尊、まだ帰ってないの?
インターホンを鳴らしても誰も出て来ない。仕方なく玄関の前でしゃがんで待つことにした。
遅いなあ。
四キロもの道を歩いたせいだろう。段々眠くなってきてウトウトと眠ってしまった。
「ねえねえ母ちゃん。今晩のご飯はー?」
「海老フライカレーだよ。」
「やったあ!カレー大好き。いっぱい食べるからいっぱい作ってよね。」
「ふふ、はいはい。…あら、誰かいるの?」
「咲!!」